個人事業主と法人ではどちらが有利?メリット・デメリットを比較
これから起業、独立開業をしようと考えている人で、個人事業主と法人ではどちらが良いのだろう?と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。最終的にどちらを選択するかは自分の考え方やスタイル次第にもなりますが、やはり判断を入れるための参考情報は欲しいもの。そこで今回は個人事業主と法人、それぞれのメリットとデメリットについて比較しながらご紹介していきます。
個人事業主のメリットとは?
【1】設立費用は不要
法人の場合は設立費用がかかりますが、個人事業を始めるのに費用はかかりません。
【2】確定申告書作成の負担が軽い
個人事業の場合、1年に1回、確定申告の時期に簡単な申告書を作成すればいいだけです。
【3】社会保険料の負担が軽い
個人事業の場合、従業員数5人未満なら社会保険の加入義務がないため、社会保険料の事業主負担がありません。
個人事業主のデメリットとは?
【1】退職金がない
個人事業主に対して退職金を支払えないため、その他に退職金のような積立等をしなければなりません。
【2】生命保険料が経費として算入されない
個人事業では個人で契約している生命保険料は経費算入できないため。最大で5万円しか生命保険控除を受けられません。
【3】青色欠損金の控除期間が短い
個人事業では赤字は3年間までしか繰り越すことができません。
法人化のメリットとは?
【1】社会的信用度の向上
法人組織に変更をすると、社会的な信用度がアップしたり、大手企業の取引先を獲得できたり、法人専用の銀行口座を開くことができるようになります。
【2】金融機関からの融資が受けやすくなる
個人事業の場合、金融機関から借り入れを行うには保証人を要求されたりしますが、法人の場合であれば、個人事業主よりは融資が受けやすい傾向にあります。
【3】経営者への給与支払いが可能
法人の場合、経営者に役員報酬を支払うことができ、それを経費として計上し節税できます。
【4】家族への給与支払いが可能
法人の場合、経営者の家族を役員にして役員報酬を支払うことができ、それを経費として計上し節税できます。
【5】生命保険料の経費算入できる
個人事業主が生命保険に加入した場合には生命保険料控除に上限がありますが、法人の場合は一定種類の生命保険に加入すれば、一定の割合で経費算入でき上限額はありません。
【6】役員社宅の賃料を経費算入できる
役員の居住用自宅を会社名義で借りて、家賃の約3から5割程度までを社宅賃料として経費計上することができます。
【7】従業員の採用が行いやすい
イメージの問題のため、個人事業に比べると法人の方が人材を集めやすくなります。
【8】欠損金の繰越控除期間が長い
大幅な赤字を計上しても法人の場合は9年間も繰り越しできます。
【9】債務の有限責任
事業で発生した債務の責任は、出資の範囲に限られ、それ以上は支払い責任がありません。
法人化のデメリットとは?
【1】設立や廃止の時に費用がかかる
設立時の費用は概ね約25万円~30万円ほど。解散時の登記には3万円、清算結了登記で2千円ほどかかります。
【2】社会保険料の経費がかかる
法人の場合は、社会保険への加入が法律で義務付けられています。
【3】交際費の経費計上に一部制限がある
支払った交際費のうち、800万円を超過する額は全額経費から除外され、800万円以下の金額については全額が経費として認められることになっています(2014年9月時点:資本金1億円以下の法人)。
【4】会計・税務の処理が複雑
法人の会計および税務の処理、申告などは、素人にとっては複雑なため、会計事務所や税務士等の専門サポートを受ける必要が出てきます。
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