初めての事業計画書。何を考え、どんな内容を書けば良い?
独立開業しても事業がうまくいかない、なぜなら事業計画書を用意していないから。こんな風に事業計画書を書かずに、無計画な思いつきだけで事業を立ち上げて失敗してしまう人も結構います。自分がどのようなビジネスを手がけていくか?を決めたなら、まずは事業計画書を書くようにしましょう。融資や出資を受ける際にも事業計画書は必要となり、審査結果も大きく左右します。作成した事業計画書は何度も検証して修正していくことで、新しく見えてくる課題やヒントも多くあるはずです。とはいえ、作成経験のない人は何を書いて良いのかわからないもの。今回は事業計画書に書くべき内容についてご紹介していきます。
事業構想の全体骨子から方法論までをアウトプットし、まとめていく
まずは頭の中にある事業構想の全体骨子から方法論までを、全て紙へとアウトプットする作業が重要です。頭の中にある構想やイメージを出し切るだけ出し切って、出しきったものをグルーピングして整理して、適切な言葉へと言い換えて、自分なりにまとめていくようにしましょう。書き出すことで見えてくるものはたくさんありますし、周囲の人に上手く伝えることができるようにもなります。まずは以下のような内容を書いてみることから始めてみてください。
【1】創業する会社の概要
自らが設立する会社と創業者のプロフィールのようなものを作成します。具体的には決めた会社名(屋号)、組織形態、代表者の氏名、本社とする拠点の所在地、立ち上げ時に想定される従業員数などです。事業の立ち上げに関わる創業メンバーの過去の経歴や実績についても、書き出しておきましょう。
【2】創業者、創業メンバーの思い
読み手の共感を得て、事業に対して協力をしてもらうために、創業者、創業メンバーが持っている熱い思いを表現してみましょう。具体的に書く項目としては、経営理念、事業を立ち上げる目的、将来のビジョン、具体的に手がけるサービスでどんな風に世の中に貢献していきたいか?というような点です。
【3】手がける事業の概要、コンセプト
これから手がけようとする事業全体の概要をわかりやすく書いていきます。具体的には事業の大まかな内容、ターゲットとなる顧客はどんな人か、提供する商品やサービスはどんなものか、他社との違いは何なのか、流通や販売の経路はどうなるのか、顧客への提供方法はどうするのかなどについてです。また、この時に事業の本質的な部分(わかりやすいコンセプトと顧客へ提供できる価値)や、将来の事業成長イメージなども書き入れておくのがよいでしょう。
【4】事業の成功可能性を裏付けていく、計画をする
これから自分たちが参入するビジネスに成功する可能性はあるのか?を見極めるためにも、客観的なデータでの裏付けは重要です。自分たちで自分たちのビジネスが成立する根拠を確認するとともに、周囲の関係者にもプレゼンテーションを行う機会があるかもしれません。そんな時のためにも、検証項目としては以下のような項目を書いて行きましょう。
(1)業界のマーケット環境および商品やサービスの特徴、他社との違い
(2)販売する具体的な顧客像と販売を狙う価格
(3)販売するための方法、マーケティング施策案
(4)商品の仕入れ、流通ルートの確保
(5)ビジネスの構造的な問題点や想定できるリスク
(6)既にマーケットに参入しているライバル、競合の動向や分析
(7)立ち上げる事業の組織体制や人員予定
(8)事業の開始準備段階から立ち上げ、開始後の数値目標とスケジュール
(9)事業の立ち上げに関わる協力者や支援者とその役割
お金に関する裏付け、計画を行う
いくら商品やサービスが優れているものであっても、確実に利益が出るという保証はありません。事業を立ち上げていない段階では、客観的なデータをもとにした裏付け、計画作りを行っていく必要があります。これらを成立させ、裏付けていくためにも、以下のようなものを作成します。
(1)事業・商品別の年ごと、月ごとの売上利益計画
(2)事業開始当初1年間の、月ごとの予測損益計算書
(3)事業立ち上げの資金計画・当初1年間の月ごとの収支計画
なぜ売れるのか?を検証する、裏付けるのが重要
なぜ自らの商品やサービスが売れるのか?という理由を、客観的なデータや行動実績をもとにして裏付けていく作業が必要になります。単なる思い込みや顧客の心理を捉えていない商品やサービスになっていないか?というような点を意識しながら事業計画書をまとめていければ、事業の成功確率は高まっていきます。なぜ売れるのか?についてはシンプルに短く説明できることが重要で、もし本質を掴んでいる説明であれば、それだけで相手を納得させる事ができるはずです。
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