一人起業、一人独立開業での困り事を解消するためのテクニック

近年、「一人起業」「一人独立開業」というケースが増加の傾向にあります。特にコンサルタント業やWeb関連のビジネスでその傾向は顕著となっています。こういったビジネスは立ち上げやすく、仕事の裾野も広い傾向にあるため、いわば無理をしない起業、独立開業ということで志向する人もいるわけです。ただし、一人での起業、独立開業では困り事も発生しがちです。そこで今回は「一人起業」「一人独立開業」での困り事、デメリットを解消するためのテクニックをご紹介していきたいと思います。

「一人起業」「一人独立開業」で困るのはどんな時？

（1）仕事はしたいが人手が不足
（2）仕事の時間とプライベートの境界が作れない
（3）健康面でリスクを抱える
（4）会社組織に属していないので老後の保障もない

会社員は組織で動いていますので、それぞれの仕事を分業して動いていますが、一人で起業、独立開業するとなると、何から何まで自分で動かなくてはなりません。具体的には仕事を受注するための営業活動から、受注後の仕事、納品、料金の請求から経理に関する業務まで幅広くあります。これら全てを一人で行っていては、手が回らなくなることもあるため、事前に対応策を考えておかなくてはなりません。具体的な方策としては、次のようなものがあります。

【1】業務の一部をアウトソーシングする

出納帳の記帳代行、決算書類の作成代行、税務申告の代行、請求書の作成郵送代行、電話の取次代行など、世の中にある各種代行業者に直接または間接業務を依頼したり、自社のホームページ制作、運営を外注するなどで、業務に係る時間と手間を省く、削減することができます。近年はインターネットで検索をすると様々なサービスがあり、かなり低価格で利用する事もできるようになっています。

【2】仕事の受注、集客方法を効率化

ビジネスでは仕事の受注や集客ができなければ、売り上げを発生させることができません。だからといって営業活動に力を注ぐとなると、それに応じた営業リソース、マンパワーも必要となりますので、集客ができる仕組みを作る、整えておくことが大切です。例えばインターネットを活用したホームページによる集客や、インターネット経由での受発注サービス、仕事紹介サービス（例：クラウドソーシング）の利用などがおすすめのマーケティング手法です。

【3】家族のリソース、力を借りる

一人起業、一人独立開業の場合、家族の協力が得られるというのは貴重なものです。きちんと仕事に対する理解が得られているのであれば、いざ人手が足りないという時に、業務の一部を手伝ってもらう事もできるはずです。家族であれば余計な気遣いに時間を割くことも少なく、コスト的にも優しいため、優先順位は高い方法論になるでしょう。

【4】業務効率を改善して時間を生み出す

1日は24時間と限られていますが、業務効率を改善し、無駄な時間を節約することで、24時間以上の仕事がこなせるようになります。そのためには以下のような工夫、ノウハウがあります。

（1）1日の時間配分を工夫する

例えば１日の時間を３分割し、どの時間帯に何をするか？という事を決めておき、これを意識しながら守る日々の訓練を行います。時間内できっちりと仕事を行うクセをつけることで、仕事の生産性向上にも目が向き始め、効率化のための改善や工夫ができるようになっていきます。

（2）細切れ時間を上手に使えるようになる

仕事が忙しくなってくると、まとまった時間が取れなくなります。そんな時は、ちょっとした移動時間などの空き時間が貴重なものになります。例えば移動時間でできる仕事を考えて決めておくのもお勧めです。近年はスマートフォンやタブレットなどを使って外出先でもできることが多くなっていますので、ここの時間を上手く使えるようにする工夫はたくさんあるはずです。

（3）時間節約のためのコストはかける

例えばパソコンや周辺機器のスペックが低いと処理スピードが遅く時間がかかってしまいます。ここで無駄な時間を割いていることはありませんか？また自分でなく、誰でもできるようなルーチン作業に時間をかけすぎていませんか？時間コストという観念を常に持ち、処理スピードの速いパソコンや機器を購入する事も実はポイントになります。また、ルーチン作業はインターネットのクラウドソーシングなどを活用して、低単価で外注する事も大きな工夫になります。

（4）移動時間を削減する

なんとなくの商談、打ち合わせというのは実は結構あるものです。移動時間とうのは実質的には作業をしていない時間になりますので、無駄な商談や打ち合わせは避けて、移動時間を減らすのも時間を生み出すためのテクニックです。無理に対面しなくても済むのであれば、スカイプで用件を済ませたり、可能であればメールやFAX、郵便も併用して対応するのもいいでしょう。

【5】健康管理は将来への投資と考える

自分が動けなくなれば、売上げも収入も失ってしまうわけですから、病気やケガで健康を損なうことは最大のリスクとなります。普段からきちんと体力をつけておき、過度なストレスをかけない生活を送るように心がけましょう。また、大病になってしまうと仕事ができない期間も長くなってしまいます。病気は早期発見、早期治療が何より大切です。定期的に健康診断を受けるようにする事は将来への投資にもつながります。

【6】今から老後の準備を意識して計画する

起業、独立開業すると、会社員時代とは異なって老後に対する保障もありません。そのため自分でしっかりと老後に備えた準備を進めておかなくてはなりません。ビジネスがある程度軌道に乗り始めた段階で、老後に備えた収支計画を考えて、行動すべきです。具体的には公的年金や個人年金への加入、法人名義での生命保険加入、個人年金の積立などになります。