個人事業主になると支払いが必要な「4つの税金」

脱サラ、独立をして個人事業主としてビジネスを始めると、必ず払わなければいけない税金が出てきます。給与所得者であれば税金は源泉徴収されるので、自分で支払わなくてもよかったかもしれません。しかし、個人事業主になると税金は自分で支払いの手続きを行う必要があります。そこで今回は、個人事業主の方が支払わなければならない4種類の税金について、解説していきたいと思います（情報は2014年11月時点）。

【税金その1】所得税

所得税とは、個人の所得に応じて課税される税金のことで、国の税制度の中心となる国税の1つです。給与所得者の場合は給与所得に課税されますが、個人事業主の場合は事業の利益に課税されます。そして課税される所得金額は、収入から必要経費と各種控除を差し引いた金額となります。この金額に対して国が定める収入に応じて決められている税率を乗じたものを、所得税として国に収めることになります。尚、各種控除には様々なものがありますが、個別のケースで控除されるものが異なりますので、詳しくは税務署で確認が必要です。主に、「基礎控除」「医療控除」「生命保険控除」などがあります。

【税金その2】事業主としての消費税

個人がサービスや物を購入すると課税されるのが消費税ですが、個人事業主になると事業を行うことにより消費者から預かった消費税を、国に納付しなくてはなりません。消費税の最終的な負担者は消費者なわけですから、正確には消費者に代わって後で納税するといっても良いでしょう。ただし、すべての個人事業主が消費税を納付しなくてはならないわけではなく、免税される個人事業主もいます。

個人事業主に消費税が課税されるのは、2年前の売上が1,000万円を超過している場合です。つまり、2年前の売上が1,000万円以下であれば消費税は免税されることになります。したがって、開業初年度の個人事業主は1,000万円を超える課税売上があったとしても消費税は免税されます。ただし、2年経過してから消費税を納付する必要はあります。消費税を納付したら還付を受けられる場合もありますので、詳しいことは税務署で確認するのが良いでしょう。

【税金その3】個人事業税

個人事業税とは、個人が事業を行っている場合に課税される地方税のことです。詳しくは以下に分けてそれぞれ解説していきます。

（1）個人事業税の課税対象者

各都道府県内に事務所又は事業所を設け、課税対象となる事業を行っている個人が対象者となります。「課税対象となる事業」は世の中にあるほとんどすべての事業となっており、事業主控除額の年額290万円を超過した額が対象となる所得金額です。

（2）個人事業税の納税額・税率

個人事業税の納税額は、以下のような計算式で算定されます。

〔青色申告特別控除の控除前の課税所得ー290万円（事業主控除）〕×税率

一般的に税率は5％となっていますが、職種により税率が変わることもありますので、各都道府県で確認する必要があります。

（3）個人事業税の控除

個人事業者は290万円を事業主控除として控除されます。つまり、事業所得が290万円以下であれば、個人事業税の納付義務はありません。

（4）個人事業税の納税時期

納付時期は8月と11月の年2回となっています。

【税金その4】住民税

住民税とは、地方公共団体の運営のために住民が分担する地方税のことで、市県民税ともいい、各市区町村に納税します。内訳は、都道府県民税と市区町村民税とになります。尚、住民税には所得割と均等割の2種類があります。

（1）均等割

均等割は所得金額に関係なく定額で課税されるもので、市町村民税と都道府県民税があります。それぞれの税額は、市町村民税が概ね3,000円ほど、都道府県民税が1,000円～1,500円ほどです。

（2）所得割

所得割は前年度（前年の1月1日から12月31日まで1年間）の所得金額に応じて一律に10％課税されるものです。内訳としては市区町村民税が6％、都道府県民税が4％となっています。