初めて法人を設立したら、知っておくべき税金の種類
脱サラ、独立開業して法人を設立すると、新たなルールに基づいて、様々な税金を支払うことになります。給与所得者、いわゆるサラリーマンであれば、源泉徴収表に記載のある税金だけを支払いますが、法人の場合には支払う税金の種類も異なってきます。一般的にはなんとなく「法人税」をイメージするかもしれませんが、これ以外にも法人が支払わなければならい税金はあるのです。そこで今回は、法人が支払うべき税金にはどんな種類があるのか?を解説していきたいと思います。
【法人の税金その1】法人税のことを知る
最もよく知られているであろう法人の税金が「法人税」。法人税とは、法人の所得に対して課される税金であり、納付先が国となる国税の1つです。これは個人や個人事業主にとっての所得税と同じようなものになります。
法人税の計算手順
法人税の計算手順には以下のような2段階があります。
【1】会計上の処理
会計上の利益を求め、会社法上の計算書類の作成を行います。会計上の利益は、収益から費用を差し引いた差額になります。
【2】税務上の処理
会計上の利益に法人税法上の申告調整を加えて、所得金額を算出します。税法上の所得は、益金から損金を差し引いた差額です。益金は収益に申告調整を加えて算出し、損金は費用・損失に申告調整を加えて算出していきます。
法人税率のことを知る
2段階の計算手順で算出された所得金額に、法人税率を乗じて法人税は算出されます。現在は以前より法人税率は下がっており、現在の基本税率は25.5%となっています(2014年11月時点)。
【法人の税金その2】法人事業税のことを知る
法人事業税とは、法人が事業を行う際に課税される都道府県税であり、納付先は事業所を設けている各都道府県となります。法人事業税は、法人の所得金額に定められた税率を乗じて算出されます。税率は各都道府県で異なりますので確認が必要です。
【法人の税金その3】法人住民税
法人住民税とは、事業所の所在地の都道府県および市区町村に納める地方税のことです。税額の計算方法には、均等割額と法人税割があり、これらを合算した金額が法人住民税となります。
【1】均等割額
法人の資本金額に応じて、各市区町村ごとに税額が定められていますので、ご自身の地域の状況をご確認ください。
【2】法人税割
法人税額に定められた税率を乗じて法人税割は求められます。
【法人の税金その4】消費税
消費税とは、物やサービスなどの消費活動に対して課税される国税です。法人の資本金または出資金の額により課税条件が異なります。資本金または出資金の額が1,000万円未満の場合、課税される売上金額が1,000万円を超過すると、翌々年度より納税をしなくてはなりません。資本金または出資金の額が1,000万円以上であれば納税義務が生じます。消費税は消費者に代わって納税するようなものですが、毎年1月1日~12月31日の期間で納税額を計算し、翌年3月末日までに納付しなければなりません。
【法人の税金その5】源泉所得税
源泉所得税とは、所得税の1つです。給与所得者の経験があれば、給与明細で源泉徴収表を見たことがあるかと思います。もし法人が従業員を雇用して給料支払いを行っている場合には、天引きした所得税を代わりに納付する必要があります。給料から天引きする源泉所得税の金額は、「源泉徴収税額表」という表を見て計算します。従業員向けには、この表で該当する給料の金額に相当する源泉所得税を給料から天引きします。
尚、納付期限はちょっと変わっていて、原則として天引きをした月の翌月10日までに納付しなくてはなりません。例外として、特例の届出を出すことにより、1月分~6月分は7月10日を期限とし、7月分~12月分は翌年1月20日を期限として納付することができます。
【法人の税金その6】償却資産税
償却資産税とは、土地及び家屋以外の事業で使用する償却資産に課税される地方税のことです。償却資産とは、使用期間が1年以上で、取得した時の価格が10万円以上の資産のことです。償却資産税は、毎年1月1日の時点の資産内容を市区町村へ申告することにより確定され、市区町村から送付された納税通知書をもとに、年4回で分納します(2014年11月時点)。
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