できるだけお金をかけずに起業した方が良いと思う。独立開業した私の体験談
いざ個人で起業してやろう!と思っても、そんなに事業投資のお金もない・・・。これって多くの人にとって障害であり現実ですよね?法人で起業する場合も、個人事業主として起業する場合も、業種や職種などによっても準備するべき物やお金の金額も異なってきます。今回は参考になるかは人それぞれだとは思いますが、実際に独立系ファイナンシャルプランナーとして起業した私が、起業当初にこのような方法で開業費用を削減したという事例をご紹介しておきたいと思います。
格好にこだわり過ぎす、自宅を事務所として利用
毎月のオフィス賃貸料というのは、起業当初であれば大きな出費となります。私の場合はここに係るコストを削減するために、自宅(当時は社宅扱い)を事務所として利用しました。車通りの良い目立つところに事務所を開くことができれば、格好がつくし満足な気持ちもありますが、売上があってもなくても支払わなければならない大きな支出(固定費)は、経営が不安定な状況では大きな痛手になってしまいます。開業当初はできる限り固定費を少なくすることが経営安定への近道と言えます。私の場合、月々の支払家賃は35,000円、通勤はないので毎日の通勤費は0円という形を選びました。
設備に係る費用はほぼ0円で済んだ
私の場合はファイナンシャルプランナーという職業で事務所を開業したという経緯もありますが、起業当初に特別に用意した設備は1つもありませんでした。幸いにもノート型パソコンは当時の最新型でしたし、プリンターも家庭で使用しているような複合機で十分です。強いて挙げれば唯一、FAXのみを業務上どうしても用意しておく必要がありましたので、FAX機を約10,000円で購入しました。
開業する業種によって設備に係る費用は大きく異なりますが、ファイナンシャルプランナーである私の場合、設備費用はFAX機購入費用の10,000円程度で済みました。細かい事を言えば椅子や机などの事も挙げられますが、こういったオフィス関連品もわざわざ新たに購入せず、既存である物を工夫して利用することによって、起業時の無駄な出費が避けられました。
外注に係る費用をできる限り抑える
仕事に関しては「自分でできることは自分でやる」というのが、外注費を抑える上で最も効果的な方法であると言えます。私が実際に行った外注とその感想は以下の通りです。
例えばホームページの製作
今やホームページは起業する上でなくてはならない広告宣伝のツールです。私の場合は市販のホームページ作成ソフトと本を購入し、自力でホームページを作成しました。これに係る初期投資はホームページ作成ソフトと書籍を合わせて20,000円程度でした。
しかし時間をかけて完成させたホームページも、素人が作成した感じが丸出しであり、広告宣伝効果は見られませんでした。そんな時、私の起業を知った後輩が私の当時のホームページを見て、あまりのダメさに呆れ果て、ついには「無料」で新たなホームページを製作してくれました。そしてさらにホームページを活用して集客する上での必要なテクニック、対策も施してくれました。
この時、人とのつながりは本当に大事だと心から痛感しました。「餅は餅屋」ということわざがあるように、専門分野に特化したことは、かえってプロに任せた方が効果的な場合もたくさんあります。会計や税務などのさまざまな事務手続きについても同様のことが言えると思います。ホームページというのは24時間365日、広告宣伝を行ってくれる頼もしいツールだけに、しっかりとしたものを準備しておく事をおすすめします。
封筒の作成
カラーでおしゃれな名前の入った封筒って起業時にやはり憧れますよね?こういったものは印刷業者さんにまとめて発注する人も少なくないと思います。しかし、住所や電話番号などの連絡先が変更になってしまった場合には、大量に作成した封筒が使えなくなってしまうことも考えられます。
私の場合は向こう数年後に住所が変わるということが自分でもわかっていたので、敢えて名入れの封筒やゴム印を作らず、市販の封筒と宛名ラベルを用意して対応しました。これであればデータが保存されているのですぐに印刷が可能ですし、単価も安いのでおすすめです。
名刺の作成
起業前にある本で「名刺次第で人に与える印象も変わる」という内容の本を読み、印刷業者に依頼して名刺を作成してもらいました。これはあくまでも私の場合ですが、名刺で事業の売上に直結することは一度もありませんでした。何事も経験だな。と自分で思えた瞬間でした。そしてとてもシンプルなのですが、コスト削減のために自分自身で名刺を作成・印刷していることは言うまでもありません。
これから起業するみなさまへ
冒頭でもご紹介したように、起業形態や業種、職種などによっても開業に係る費用は大きく異なります。私の場合、個人事業かつ原価がないといった最もお金のかからない業種だったこともあり、開業費用は約100,000円でした。はっきり言って「破格」だと思います。
ただし、これは自分自身の節約だけではなく、人とのつながりや助けがあったからこその結果に過ぎません。お客様との信頼関係やビジネスを構築していく上でも、このような人とのつながりは最も大事と言っても過言ではありません。お客様がお客様を連れて来ることにつながるのです。
最初は事業が思い通りにうまくいかなかったり、いっそのこと畳んでしまおうかと考える状況に陥ることもあるかもしれません。私も実際にそのような体験が何度もありました。そこを何とか乗り切ることができたからこそ、今があるのだと心から感じています。石にかじりついてでも、あきらめずに続けていけば、必ず良いことがある!皆さんにはそう申し上げておきたいと思います。
著者・SPECIAL THANKS
佐藤 元宣
独立系ファイナンシャルプランナーとして子育て世帯から年配まで幅広い年齢層と分野で様々な相談に応じている。地元秋田県でファイナンシャルプランナー普及活動や情報も積極的に発信。
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