【私の独立開業経歴書】私はこうやってファイナンシャルプランナーの人生を切り開いた
インターネットの書き込みなどを見ていると面白いもので、「ファイナンシャルプランナーは飯が食えない」「社会保険労務士、行政書士も飯が食えない」といった書き込みもよく目にします。しかし、ファイナンシャルプランナーという職業で独立開業している私としては、「飯が食っていける、いけないの基準っていくらなの?」と問いたくなってきます。
常に様々な方のお金の悩み相談を承っている私としては、いつも感じている事があります。それは「人それぞれでお金の価値観は異なる」といった点です。もちろんお金は多いに越した事はありませんが、重要なのはそこではなく「思い描いて望んでいる人生が送れるかどうか」といった事ではないでしょうか?
冒頭から少し話が脱線してしまいましたが、今回は私がファイナンシャルプランナーとして独立開業し、現在に至るまでの経緯をご紹介しておきたいと思います。これからこの仕事で独立開業を目指したいと思っている方の一助になれば幸いです。
突然の失業から人生が急展開
今となっては幸か不幸かわかりませんが、私は最初からFP事務所を立ち上げる予定で考えていた訳ではありませんでした。きっかけは数年前のある日、いつもの通りに給与を現金で受け取って業務をこなしていたところ、突然経営者から呼び出しがありました。そしてその時の内容は、いわゆる会社都合での退職の話といったものでした。
その時の私にとっては思いもよらない突然の失業でした。当時、住宅を購入する予定で考えていた頃だったので、様々な業者さんを見て回っていた最中でした。同時に自動車ローンも抱えていましたが、住宅ローンに合わせて完済することを目標にして、着々と計画を進めていました。しかしこの計画は白紙になり、人生が大きく変化することになりました。
バイトも決まらない。厳しい現実から思い切って独立開業を決意
その後は失業給付金を受給しながらの転職活動が始まりました。しかし、ことごとく惨敗する日々が続きます。どうにか食い繋いでいくために、アルバイトをしようと思っても採用されません。そして「これからの人生、どうしよう」と思い詰めて考えた時に、保有していた2級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を活用し、起業をしよう!と思い立ちました。この時はもう、それくらいしか考えられなかったというのが本音だったのかもしれません。それから日本FP協会の会員になり、AFP資格も付記し、独立系FPとしての開業が始まりました。
自分の本業は何なのか?わからない日々が続く
何もない状態から起業して始めたFP事務所。もちろんお客さんは来ないですから、開店休業の状態です。この時に1つだけ幸いだった事は、私の後輩が私のFP事務所のために、ホームページを作成してくれた事でした。私自身は残念ながら毎日時間があったので、そのホームページを更新し、情報を発信したり、PRしたりして自己主張と宣伝活動を行っていきました。
その合間に日雇いのアルバイトをしたり、夜勤のバイトをしたり、ポスティングの仕事をしたり。この時は自分の本業が何なのかわからない。といった日々が続きました。でも、お金を稼ぐためには仕方がなかった事でもありました。この時に1つだけ自分で自負できた事は、決して腐らず、ただただ上を目指していくための学習や努力を怠らなかった事でした。
しかしそれが今の結果に繋がっていると私は信じています。少しずつではありますが、お客様も増え、ホームページも開業している秋田県の中ではトップ順位で表示されるまでになりました。そしてこの影響があってか、地元新聞社の取材やメディア出演の機会も頂きました。人との繋がりで地元のラジオ局に出演したりもしました。
あきらめない事。いつか必ず報われると信じましょう
私も正直な話、何度FP事務所をたたもうと考えた事か。でも、苦しい思いや難儀な思いをたくさんしながら、何とか続けてきた結果が今だと心から感じています。こんな話をすると、後だから何とでも言えるよ。と思う方もいらっしゃるでしょう。私自身も以前はそのように思っていた部分もありました。
しかし、実際に挫折を乗り越えてきた人にしかわからない境地である事は間違いないように思います。これから起業、独立開業を目指している皆さんは、自分の事業を最後まであきらめない強い気持ちと、信念を持ち続けて頂きたいと思います。きっといつか、報われる日が必ずきます。
著者・SPECIAL THANKS
佐藤 元宣
独立系ファイナンシャルプランナーとして子育て世帯から年配まで幅広い年齢層と分野で様々な相談に応じている。地元秋田県でファイナンシャルプランナー普及活動や情報も積極的に発信。
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