自分がされて嫌なことは相手にもしない!は、ビジネスでも大切
独立開業してファイナンシャルプランナーとして仕事をする日々の中で学んだこと。今回は「普通の事が当たり前にできることの大切さ」をテーマに取り上げてみたいと思います。とある新聞社の記者から取材の依頼を受けた時のお話。
普通の事を当たり前にきちんと。子どもの頃にみんなが教わった
小さい頃に家族や周囲の人たちから教えてもらった当たり前の常識や倫理。しかしこれが大人になると守れないという人も案外いたりします。身近な例で言うならば挨拶、返事、時間を守る、言葉遣い、態度、感謝の心など、人として最低限持ち合わせていなければならない事というのはたくさんあると思います。そしてこれはビジネスの時においても同じだとも思います。
仮に仕事がずば抜けてできる人であったとしても、当たり前のことを守れない人は、周囲から信頼してもらう事ができません。逆に少々のミスであっても、きちんと当たり前の常識や倫理は持ち合わせていて、いつも笑顔で接してくれるような人の方が、結果的に周囲からの信頼感もあり、ビジネスにおいても長い取引になる事が多いと思います。
独立開業し、新聞社から取材を受けた際の出来事
人として当たり前のことがとても大切。と感じたのは、以前のある出来事がきっかけでした。私が地元新聞社から取材を受けた際の出来事です。
ある日の事、地元新聞社から取材依頼の電話が入りました。内容を聞くと、近日中に記事を掲載しなければならないといった理由から、翌日には即対応して欲しいといった話でした。私もちょうどスケジュールの都合がつくタイミングでしたし、事業の宣伝にもなると思い、取材を受けることになりました。
そして翌日、電話をもらった記者の方の取材が始まりました。入社2年目の20代前半くらいの若い女性記者の方でした。お互いの名刺を交換し、椅子に着席した際に最初の違和感を覚えました。
初対面であり、私は依頼を受けている立場であったのですが、相手の記者の方は足を組んで取材を始めました。この時は口には出さないものの、少し嫌な気分は感じていました。こういう所に気付いてしまうと、取材時の相手の言葉遣いなども段々と気になってくるものでした。
もやもやしながら約1時間30分の取材が終了し、新聞掲載の日付に関する連絡をいただきました。この時にしっかりと新聞に掲載されていれば、特に何の問題もなかったのですが・・・。
急ぎたいという話が一転、ズルズルと伸びていく掲載日
新聞の掲載予定日に、両親から1本の電話がありました。インタビューの内容はどこにも載っていなかったよ!という話で。それから記者の方に確認をしてみたところ、新聞社側の都合で、掲載日が遅れるという話がありました。一般的にそのような事があった場合は、事前に相手へ一本連絡しておくのが当たり前に大切だと思いますが。
その後は約1ヶ月おきに記者の方からメールがあり、掲載がずれ込むという話が3ヶ月ほど続きました。すぐに掲載しなければならないと言っておられた記事が、何故こんな事になるんだろう?と私も不思議で仕方がありませんでした。
そして数ヶ月が経過した休日の夕方、記者の方から電話がありました。「お待たせしましたが、明日記事が掲載されます」といったお話でした。この時にはもう私としても「本当、長いよ!」って心の中では思っていたものの、敢えてそこを口に出すのは我慢しました。
あり得ない。別人の名前にチェンジして掲載・・・
そしてその記者の方の話にはまだ続きがありました。私にとっては耳を疑うような内容だったのですが・・・。内容としては「私が取材に応じたにも関わらず、私の名前は一切紙面に掲載されず、代わりに取材内容を別のファイナンシャルプランナーの名前で使わせてもらった」といったものでした。
この話を聞いた時に、私の中で溜まっていたものが、記者の方へ一気に噴き出してしまいました。これは後から聞いた話なのですが、記者の上司もそういった事実を知らず、連携が取れていなかった事もわかりました。翌日に謝罪には来られたものの、二度と協力はしない旨を伝えました。
私も個人事業主として、プロのファイナンシャルプランナーとしての自覚を持って仕事に取り組んでいます。だからこそ、この時の対応は許せないと感じました。依頼に対しての協力にも関わらず、数ヶ月間たらい回しにされ、最後に裏切られるといった最高の屈辱でした。この時の私の嫌な体験が、当たり前の事が普通に出来るのが大切!という想いにもつながっています。
自分がされて嫌なことは、相手にもしない。当たり前だけど大切
「相手の事や気持ちを考えた行動」というのは、相手に対しても安心感を与えます。そういった安心感がお互いの信頼にもつながると思います。「自分がされて良い事は相手にもしてあげる。逆に自分がされて嫌な事は、相手にもしない」といった小さい頃に教わった教えはビジネスの面でも本当に大切だと思います。
著者・SPECIAL THANKS
佐藤 元宣
独立系ファイナンシャルプランナーとして子育て世帯から年配まで幅広い年齢層と分野で様々な相談に応じている。地元秋田県でファイナンシャルプランナー普及活動や情報も積極的に発信。
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